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ひとみと雅樹が食事をしに来た日曜の夜は、ちょっとしたパーティと呼べるほど、食卓が華やかだった。
三人ぶんの入学祝いということらしい。
パスタとピザとチキンと、カラフルなサラダと、デザートにはフルーツたっぷりのケーキ。
テンションの高い母とひとみのやり取りと横で聞きながら、わたしは思わずつぶやいた。
「面倒くさい……」
ずらりと並べられた料理の中から、まともな内容と量を考えて自分の皿に取り分けて食べる。
そのことが途方もなく面倒くさい。
中学のころからの胃の痛みは、高校に上がってもまったく治っていない。
空腹感も満腹感もわからない。
おいしいのかどうか、うまく感じ取れない。
何をどれくらい、どんなスピードで食べれば普通なのか、自分で調整できない。
食事の間じゅう、わたしは神経を張り詰めて、まともな食事ができるふりを装った。
狂っている、と自嘲しながら。
だって、食事なんて行動、何も考えずにできるのが当然でしょう?



