コンコン

『はーい、どうぞ~』

碧斗「りぃーちゃん、終わった?」

『あと100枚』

碧斗「手伝おうか?」

『ううん、私の仕事だから』

碧斗「りぃーちゃん、少しベランダに出ない?」

『いいよ』

そう、言う碧斗くんはどこか寂しそうだった。


『星綺麗だね』

碧斗「そうだね」

『碧斗くん、二人の時は、素に戻っていいよ』

碧斗「茉莉も知っての通り、俺は藤原家の長男で、
いずれ嫁を貰って、ここを継がないといけない」

『うん』

碧斗「茉莉、俺、茉莉が好きだ」

『嘘・・・』

碧斗「茉莉は?」

『私も碧斗くんがずっと好き』

碧斗「今夜からは、俺の彼女だ」

『碧斗くん、私、暫くここには帰ってこないかもしれない』

碧斗「え?」

『実はね、生徒会委員しか知らないんだけど、
イギリスに留学するの、短期留学で3ヶ月』

碧斗「茉莉・・」

『そんな顔しないでよ、3ヶ月だけだよ』

碧斗「3ヶ月もじゃん」

『3ヶ月なんてあっという間だよ』

碧斗「いつから?」

『来月の初めにはここを発つ、体育祭には来るよ、
体育祭が終わったらまた戻るけど』

碧斗「そっか」

『さて、続きしないといけないから』

碧斗「俺は先に寝るね、早く寝るんだよ」

『うん、おやすみ』

碧斗くんが出ていき、私はまた仕事を始めた。