悪斗くんがきたって
みんな騒いでたけど、
クラスには来なかった。

放課後に私は
図書委員の仕事があったから
部活に行く前に図書室に行った。


私の入ってる部活は、
あまり活動がなくて。

今日久しぶりに部活あるのに、
委員会の仕事が入っちゃうなんて
なんか縁がないのかな?って。


入ると電気がついてたから、
誰かいるのかな?って思って。

図書委員しか電気つけられないし。


「今日は私のクラスが当番だけど、誰?」


「……はじめまして。悪斗です」



悪斗くん。

私は目の前で固まってしまった。



「図書室で喧嘩しないでよ?」


「誰が図書室で喧嘩するんだよ」


「不良じゃん。ヤンキーじゃん」


「人を見た目で判断しちゃいけないって習ってないの?」


「……え?今まで学校きてなかったくせに」









「俺、中学3年から病院いたんだけど」



真顔で言われたから、
ホントなんだって驚いちゃった。


「病気…だったの?」



「うん。もう大丈夫だけどね」




なんか意外すぎた。

喧嘩したりして、
捕まってたのかと思った。

全然違った。






「あ、俺さ図書委員なんだけど」


「あー。えっと、そこの本あの上に直してくれない?私届かないんだよね」


「わかった」






悪斗くんって意外といい人。

不良とかヤンキーでもないのかも。



なんか、顔が赤くなっちゃう。