「体育祭のあとの授業って辛いよね」

色素が薄い、可愛い女の子が
あたしの友達の凛。


「麗華、どこの大学行くの?」


「東京行きたーい!」


あたしのこの発言で、周りの人が黙った。


「何?お前、アイドル目当てかよ」


あたしにこうやって
話しかけてくるのが、幼なじみの海斗。



「それもあるけど、実は・・・人混み目当て」

そんなことを言うと、さらに静かになって
ザワザワし始めた。

「問題発言しまくりじゃん」



「どこがよ」


あたしはアイドルが好きで、
ライブにも、もちろん行ったことがある。

あたしが好きなアイドルのファンは、
ファンマナーが悪いことが有名で
あたしはよく怖がられる。



「それより聞いて!山田くんがさ!」


「始まったよ。またアイドルの話」

「あんな顔の人、そうそういないって」

「一生結婚できないじゃん」


あたし今、結構言われてる?

それとも、アドバイス的な?



まあどっちでもいいけど。




「里美は今学期も図書委員だよね?」


「うん。麗華もでしょ?」



里美はあたしのちょー大好きな親友。



「当たり前じゃん!図書委員好きだわ」




そういうあたしをよそに、
凛と里美は外のほうにくぎづけ。


「何?どうしたの?」



あたしが声をかけると、
ふたりがあたしをみた。

「麗華、気をつけなね」

「悪斗くん、学校きたらしい」



「悪斗くん?・・・あ!あの人」


あたしは笑顔でいった。



「何でのん気な顔してるの?」

「麗華、席が隣でしょ?あいつ不良だから」




「へー」


「俺が見ててやるよ」



海斗があたしの頭を優しく撫でる。


「大丈夫だって」