つまんないなと俺から手を握ると、"彼女"は頬を赤らめて控えめに手を握り返した。

そんなうぶな反応が面白くて俺から積極的に迫っていくと、色んな"彼女"が出てきて、その度に俺は可愛いなと思っていた。

一線を越えるとき、"彼女"は潤んだ目で何かを訴えかけていたが、俺は気づかないふりをして"彼女"を押し倒した。

きっと"彼女"は本当にいいの?とでも訴えたかったんだと思うが、恋に落ちていた俺は現実から目を背けて"彼女"を彼女として愛すと決心していた。

それからの日々は"彼女"が彼女じゃないということを忘れてしまいそうになる程、幸せな日々だった。


「もう少しだけ…一緒にいたかったな…。いや、違う…ずっと…ずっと…いたかったっ…」


涙が頬を落ちていき、一粒の涙が置き手紙を濡らした。