「私達が逃げ出せたのもまたそのお方のおかげです。

お父様がリバル国王へ弾劾状を送った事で、
国王は私達を処刑する為に呼び寄せました。

牢から王室へと連れて行かれる際・・カリマル様が何故か私達の手錠を外してくれたんです。」


「“逃げろ”というメッセージだと受け取って私達は逃げ出した。

兵達との戦いの最中、
奥方様は救えなかったが・・

・・あの男は決して悪い奴では無い。」


「・・・それで・・・
その話の中のどこでリリカが出てくる?」


「思えば最初に捕らえられた時も、
カリマルはどこか躊躇していた。

だが一緒にいた大男が、

“リリカがどうなってもいいのか?”
と耳打ちしたのを私は覚えている。

結局カリマルはそれで長達の家族を拉致したが・・

その時もうわごとのように“リリカ”と漏らしていた。」