体育で男女合同の水泳が始まった


ピーッッ!


「集合ー!」


体育の先生、高田先生が号令をかけた


「今日は男女合同で水泳をする、まず最初に怪我などされたらこまるから水になれてもらうため、男女別に別れて二人ずつペアを作れ」


『はいっ』


みんな一斉に動き出しペアを組み立した


「みんな組めたなーよしっじゃあ入るか」


私はそこまで仲良くはないが喋ったことはある


藤原さんとペアを組んだ


ペアを組んで一人が水の中に潜って


何秒潜れたか数え合うためにペアを作ったらしい


ピッッーー!


「よーし!上がれー!」


私は上がろうとした瞬間


足がつってバランスを崩してしまい


そのまま水の中に落ちてしまった  


その直後に


バシャンッ!


と音がしたと同時ぐらいに体が軽くなった


一人の女子が黄色い悲鳴を出したと思ったら


あとから追うようにいろんな女子の声が聞こえ始めた


__あ、またあの感じだ


私は1年生の時に一人で泳ぐ練習をしていて


同じように足がつってしまい


溺れそうになっていたところを誰かが助けてくれた


たくみ先輩が後から心配してくれてたので


てっきり近くを通りかかったところを


助けてくれたんだと思っていた


だからたくみ先輩を好きになった



でも…


「大丈夫か!?川白!おい」


ん…?誰かが名前を呼びながら優しく頬を叩いている


「ん…?な…ぎくん?ど…して」


「おい!誰か保健の先生呼んでこい!」


「ん…私な…ら大丈夫だか…ら……きゃ!」


凪くんはぐったりしている私を


お姫さま抱っこのように抱えた


「ほんとっだいじょ…ぶだって」


「大丈夫じゃねぇじゃん、こんな時くらい俺を頼ってくれよ」


凪くんが泣きそうな顔をしている


「ごめ…ん」


私は自分がおかしくなったと思った


だっていつもはこんなに素直じゃないないし


それに……


「なんで…だろ…なんで…私…泣いてるんだろ……」


なんか凪くんの腕の中、すごく安心する…


私は一度凪くんにおろしてもらった


「凪くん…一つ聞いていい?」


「いいけど…立ってて大丈夫か?」


「うん、大丈夫ありがとう、あの…1年生の時の夏私が一人で泳ぐ練習してる時、足つっちゃってね…溺れそうになったの」


「うん。知ってる」


「えっ……やっぱり」


私は俯いていた顔をバッと上げた


と同時に雨も降っきた


「助けてくれたのって……なぎ…くん?」


「うん…たくみ先輩じゃなくてごめんな」


また凪くん泣きそうな顔になってる


「ううん…!な…ぎくんっでよか…ったです…ふぅ」


私は凪くんだと分かった瞬間に目から大粒の涙が流れた


目が潤んでいて凪くんの顔が見えない


それとも雨のせいかな?


だけど…凪くんの顔が近づいてきてるのはわかる


「っちゅ…」


キスをされた…ううん…キスをしたんだ……


「あ……ごめ…ん俺をまた…もう近づかないようにするから、この…はを傷つけたくないから、でも…せめて名前で呼ばせて」


そう言って、またその場から立ち去ろうとする


凪くんの後ろ姿を眺めていた…


でも……


声に出すより体が先に動いた


私は走って凪くんに後ろから抱きついた


その拍子に二人とも滑ってこけてしまった


「いか…な…いでぇもう凪くんがいなくなるのは嫌だよ」


凪くんは驚いた表情を見せた


「っ!でも……川白の好きな人ってたくみ先輩なんじゃ…」


「っ!もう違うよ凪くんは二回も私を助けてくれた…ううん…いつも影で支えてきてくれた…一年生の時に助けてくれたのだってたくみ先輩じゃない凪くん…でしょ?」

私は泣きながら


「助けてくれたのが凪くんでよかった……」


と言った


「ん…嬉しすぎなんですけど」


ぎゅっ


そう言ってまた抱きついてくれた


ちゅっ


キスもしてくれた


今度は二人とも最高の笑顔で


さっきまで降っていた雨もやんだ


「あっ!虹」


と凪が言った


私は


「雨が恋を降らしてくれたのかな?ふふっ」


そう言って二人で笑いあった






私達の恋は空から降ってきました