「それに、気持ち良さそうに寝てたし?
無理に起こすほどの奴じゃねえし」
え?…え?
「出て行かないの…?」
「何で出て行かなきゃいけないわけ?
まだ来て全然経ってないのに」
よ、良かった…
ゴミ捨てだったんだ…
自然とさっきまでの涙は消えていた。
胸の痛みもスーッとなくなった。
ああ、分かった。やっと気づいた。
あたしは……
――――――隼が好きなんだ。
同棲を始めてまだ1ヶ月半。
たった少しの間に、
あたしの気持ちはどんどん膨れ上がっていた。
隼の匂いが落ち着いたのは…好きだから。
隼が出て行かなくて安心するのは…好きだから。
隼を必死に探したのは…好きだから。
そっか。この気持ちは好きだったんだ。
何でかわからない。
こんなにドSで我儘で自己中で俺様で…
でも、その中にはぎこちない
優しさがあったのかもしれない。
あたしは、隼の何もかもに吸い込まれてたんだ。

