パパは海里さんのお父さんに誘われ、ホテルのバーへ向かった。
 数十年ぶりに会った二人は、きっと、ママの話をするのだろう……

 美夜さんとユウちゃんは、食べ過ぎと飲み過ぎにもう動けないと、タクシーを呼んで帰って行った。


 私は海里さんと、浜辺を歩きながら店へと向かって歩いた。

 ハイヒールを脱ぎ裸足で歩く砂浜は、まだ少し冷たいが気持ちがいい。


 海里さんが、そっと手を繋いでくれた。

 何も言わず、ゆっくりと歩く。

 本当に今日は、驚く事ばかりだった。

 でも、こうして海里さんと並んで歩ける。

 それだけで、幸せだ……