それから、辛い時以外は本の読み聞かせをするようになった。
特に、莉乃ちゃん、ユーキくんとは、仲が良くなり、『お兄さん』と、呼ばれるほどになった。
そんな時、莉乃ちゃんから、不思議なことを聞いた。
「お兄さん。今度ね、莉乃のお姉ちゃんが来るの、お兄さんにも紹介するね!」
なんて、服を引っ張って来る。俺は、密かに楽しみにしていたのかもしれない。

いつも通りに、キッズルームに入る。
「みんなお待たせ。」
莉乃ちゃんの隣に座る莉乃ちゃんのお姉さん
「あの、ここ、キッズルームですよ」
...そんなの誰でも分かるだろ。何言ってんだ俺は...。
「いえ、お礼を言いに来ただけです。如月 莉乃の姉の如月 萌乃です。いつも莉乃がお兄さんお兄さん言っていたもので、1度御挨拶をしようかと...」
『如月 萌乃』と名乗った彼女は、予想以上に可愛かった。莉乃ちゃんと、顔はあんまり似てないけど、歳がかなり離れていそうなイメージだ。
「お話が終わったら二人で話しましょう。その方がいいと思いますし。」
俺の知らない莉乃ちゃんを知りたかっただけ。ただ、それだけだ。