もしも明日という未来があるのなら

<水村 冬真side>

昼休み。

タッ、タッ、タッ。

楽しそうな生徒の声を遠くで聞きながら4階のはじにある細めの階段をのぼる。

美術室しかない4階はいつものように静まり返っていて、俺の階段を上る音がやけに大きく響く。

ポケットから針金を取り出し鍵穴にさし、しばらく動かすとガチャっといって鍵が開いた。

ドアをを開けると、そこからは俺だけの空間である。

時間という縛りを消して、心がおだやかになるひととき。

青くて広い空、ゆっくりと動く雲、さわやかな風。

屋上は俺にとって大切な場所である。

いつものように一息つこうと開けるとそこに、一人の生徒がいた。

肩までの髪が風でさらさらとゆれ、一枚の絵のようできれいだ。

思わず見とれた。

って誰だよ、あいつ。

なんでここにいんの?

針金ないと開けれないはずなのに、どうやって開けたんだ?