もしも明日という未来があるのなら

家を出て自転車をこいだ。

30分ほど漕ぐと大きな川に出た。

橋の横に水村の姿が見える。

私の目が彼の私服の感じと川の光の反射を一枚の絵にしてとらえる。

「おはよー。すっごいいい天気だね。」

「朝から元気すぎんだろ、お前。」

呆れたように言う水村。

あいかわらず冷たいやつ。

「っていうかさ、気が合うね。」

「はあっ!?」

「服、おそろいじゃん。」

水村もジーンズに白いパーカーだったのだ。

「うわ、確かに。まじかよ。」

「ちょっと、そんなに嫌がんなくてもいいでしょ。」

と水村を軽く小突く。

「で、こんなとこまで来て願い事何?めんどくさいんだけど。」

「文句言わない!負けたのは水村なんだし。」

「ほんっと最悪。せっかくの休みが・・・」

私は水村を無視して言う。

「幸せ探しに協力したまえ。」

「はあっ!?」

「四つ葉のクローバーを見つけてみたいんだよね。」

ここは川にそって緩やかな傾斜の芝が続いていて、ピクニックに最適のスポットとして有名なのだ。

そしてここにはたくさんのクローバーが咲いている。

「よし、始めよー。」

自転車を土手の上の歩道にとめ、ずささっと坂を下る。

途中で転びかけながらもなんとか一番下まで下りる。

しゃがみこんで手当たり次第探し始めた。

「階段使えよ。」

とぶつくさ文句は言っているが、協力はしてくれるらしい、水村。

天使並みににっこり笑うと、水村が大げさにため息をついて見せた。

なんだかおもしろくて私は声を上げて笑った。