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「ジュリオ……いい加減に寝ないと、明日の仕事に響いちゃう」

 シャワーを浴びた後、ピザと一緒にワインを飲んでほろ酔い加減でベッドに入った。

 勿論、そのまま寝かせてくれるワケもなく――それなりに甘いひとときを過ごし、現在に至るんだけど。もう午前0時が過ぎているというのに、私の身体から手を離そうとしないジュリオ。

「だって瑞穂をもっと知りたいから。どこが感じて、どこがくすぐったいのか」

「んもぅ、言ってる傍から何やって……寝ないとダメだったら……っ、ヤダ」

 そんな風に、腰を押し付けられたら困ってしまう。ジュリオの手を両手で掴んでいるからって、そんなイジワルしてくれちゃって、もう……。

「この状態で私を寝させるとか、結構無茶なことを言ってくれますね。すべて瑞穂のせいなのに」

 吐息混じりで囁かれる言葉に、じわりと頬に熱を持つ。だけど私のせいって酷くない!?

 無言で横目を使いジュリオの顔を睨むと、ちょっとだけ笑ってから、ちゅっとキスを落とす。

「どんな顔でも私は、瑞穂に欲情します。だから諦めてください」

「ジュリオ……」

「それに瑞穂の身体も、私のことを求めていると思います。だって、ね――体温がさっきよりも上がってますよ。体温だけじゃなく、ここも一緒に」

 掴んでいた手をさっと引き抜き、わき腹から腰のラインをなぞる様に触れていく。否応なしに感じてしまい、身体がビクンと跳ねてしまった。

「ンッ…あぁっ……や――!」

 あられもない声をあげるのが恥ずかしくて手で押さえたのに、無理矢理それを外されてしまった。

「感じてる声、もっと聞かせてください。私の全部を使って、君をもっと感じさせてあげます」

 言いながら、深くくちづける。

 それだけでもう胸がいっぱいいっぱいで、幸せを感じてしまう。ジュリオの首に両手をかけて、ぎゅっと抱きしめた。

「私を求めてくれて嬉しいです。瑞穂の可愛いこの唇も何もかも熱くなっていて、トロトロしていて蕩けてしまいそうです」

「……ひとつになって溶けてしまえたら、ずっと一緒にいられるのにね」

 ジュリオの栗色の髪を梳きながら言ってあげると、キレイな瞳を細めて嬉しそうな顔をした。

「じゃあ今夜は、瑞穂が私のことを独占してください。ドロドロに溶けて、君の中に入り込みますから」

 答える前に塞がれる唇――その後はくたくたになるまで思う存分、抱き合った夜になった。