安井くんの母親でも姉でもないし
まして海の家の人なわけなくない?
なんでやねん
私だってコテージに泊まらせろし
「お母さんって......えーそんな老けてるかな。23なのに。一体何歳で産んだことになんのよ」
ぶつぶつ言っていると突如
頬にヒヤッと冷たい感触がして、肩を跳ねさせながら「うわっ」と声を上げる
「早苗さん」
後ろを振り返ると
サイダーのペットボトルを差し出す五月が立っていた
その格好は上半身裸の水着姿だ
「隣座っていいですか」
「いいよ」
ペットボトルを受け取りながら頷く
手の中がひんやりと冷えた


