「そうだよ、この子たちめっちゃくちゃお利巧なの。連れてくとして何の心配もないのよ、あんたのが心配だよ」


「早苗ちゃん酔ってる?」


「酔ってないよ。ドリンクバーしか飲んでないよ。でも女の子たちとか、私たちには直接関わりない、顔も名前もろくに覚えてない子だって行くことになったら、私なんかあったらどうしようもないよ」


「早苗ちゃんカナヅチだもんね」


「そうだよ。ナンパとか、波とか、海は危険がいっぱいなのに」



そこまで真剣にまくしたてたところで


今度は仁香が深いため息をつく



なんでこいつがため息をつくのだ


「なにそんなつまんないこと言ってんの早苗ちゃん、大人がそんなこと言ってるから高校生は窮屈なのよ。なんかあったとして、高校生なんてそろそろ自分で責任くらいとるのよ」


「え、さっきと言ってること違うじゃん」


「海都も、めちゃくちゃお利巧でいい子だよ。早苗ちゃんが言うんだから、五月君も安井くんもすっごくいい子なんでしょうよ。だから心配ないじゃない、女子だって男子が守るんでしょうが、ねぇ海都!」






こうして私はファミレスの陣において



仁香に敗北したのであった