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その日の夜




「てか何このメンツ」


東淵ノ宮高校近所のファミリーレストランにて


両手に持った大きなメニューから顔をのぞかせた仁香は、周囲睨むように目をきょろきょろさせた



それもそのはず


ファミレスのコーナー席でテーブルをぐるりと囲むのは

私、仁香、弟の海都くん、五月、安井くんの謎メンツ5人だ



「こんばんは」


「......こんばんは。え、バスケのスリーポイントイケメン?」


「こんばんは」


「こんばんは。うん、あなたに関してはホントにちょっとはじめましてだよ」



自分の弟以外に見知らぬ男子高校生が2人

仁香にとってはさぞ意味の分からないことだろう


「仁香ホントよくわかるよその気持ち」

「いや、ねえ誰?。仁香と海都と早苗ちゃんでご飯食べるんじゃなかったの?海都の友達でもないって言ってるんだけど」


早口かつ小声でまくしたてる仁香に「うんうん」と頷きながら、ハンバーグセットかなーなんて考える


セットにサラダとスープとパンのAセットを付けようと決めたところで、私は右隣の男の子を紹介した