なんでここに

レイが!?



思わずレイに駆け寄った私は、そのキョトンとした瞳に口を押さえて悶絶した



「うそ.......」


「あの、どうかしましたか?」



彼が持っているのはピンクの文字で「2年3組女装カフェ」と書かれた看板



なるほど

彼は2年3組の男子生徒で


このカフェのために女装をしているというわけか



「ごめんなさい。あなたがあまりにも、ゆめかわ戦士は魔法の娘(こ)に出てくる主人公を完璧に再現していたものですから......」




その言葉に顔を綻ばせたレイは、看板を両手で持ちその場をくるりと一回転してみせた


「まじっくぱわーきゅるきゅるー......でしたっけ?僕、実はそのアニメをよく知らなくて、コスプレはさせられているだけなんです。女子の話によると、予想外に似合っているとのことで、本当でしょうか」


「ええすごく!アニメファンから見てももう完璧!今の呪文もほんとに可愛い!」



恥じらいがなくなったらもっと完璧なんだけどね!



思わず興奮気味にコスプレと呪文を褒めると、彼は照れ笑いを浮かべて前方を指さす



「僕、2年3組の呼び子をやってる安井っていいます。良ければそこなんで、お姉さんもきてください」



これは何か縁のような気がして


「うん、分かった。行くわ」



私は上機嫌に2年3組に足を踏み入れてしまった