しゃこしゃこしゃこ
五月によってソファに座らせられた早苗は、ぼーっとしながらもなんとか自力で歯を磨いている
「大丈夫ですか」
「ふん」
うん、と言っているのだろうが、ほんとに大丈夫か定かではないので五月はそのまま見ていることにした
彼女はしばらく歯を磨いていたかと思うと、いきなり手を止めてすっくと立ち上がる
ふらふらと向かう先は洗面所
うがいの音が聞こえたかと思うと、数秒後には「ぎゃ!!」と言う叫び声が聞こえ、五月は跳ね上がるように洗面所へと向かった
「大丈夫ですか?」
早苗が見て呆然と固まっているのは下着が吊る下がったハンガー
今度は洗面所の電気もついていたことから、結果的に五月はその色も形もハッキリと見てしまった
「あ.......」
「み......見た.......?」
「見てません」
五月はぎこちなく目を逸らしながら否定する
やべぇ........
ガッツリ見た
その場にへたり込み
「お嫁に行けないわ、あたし」
と嘆く早苗