私はつい好奇心でそのシチュエーションを探ってしまう


「みんなが見てる中で告白されたの?」


「誰も見てません。校舎周りをランニングしてて、呼び止められて急に」


「へー......」


「その子は、返事はいらないと。マネージャーになるから、自分のことをもっと知ってから返事が欲しいと言われて」



私はアイスの口部分を噛み締めながら、そのシチュエーションを想像して頭に宇宙を広げた



甘酸っぱーーーー


なんじゃそりゃーーーー




わーー!良いなぁ高校生!



けど高校をそんな甘酸っぱい空間に使うな


勉強しろ勉強を



これは高校生時代は勉強のみに没頭して、恋愛とは1ミリの関係もなかった私の完全なる妬み嫉みである



青春を楽しんでる女子高生

完全なる人間の勝者




「そ、それで相談とは」


自分に正解の回答が導き出せる自信がまるでなくなった私は、話の核を恐る恐る尋ねた



「断りたくて」


「あらら、もったいない」


「......?」


「すぐに返事はいらないと言ってくれたのでしょう?その子の事をまだよく知らないのは確かなんだし、仲良くなってから結論を出しても良いんじゃない?」