「おっ?なんで君も私の部屋に入るんだ??」


「俺が帰った瞬間を見計らって部屋に上がられたら困るので」


「あ、ああ.......ありがとう。道でも......助けてくれてありがとね」



ヒールを脱ぎ捨て部屋に上がる私に続いて、男子高校生もスニーカーを脱いで部屋に上がる



「はぁ、なんかどっと疲れた。合コンなんて行くもんじゃないわ」

コートを脱いでハンガーにかけながらため息をつくと、彼はスポーツバッグを床に下ろしながら私をじっと見つめた



「ん?」

「合コン行ってたんですか」

「う、うん。合コンとか嫌いなんだけど、数合わせにって友達に頼まれちゃって。もう一生行きたくないかも。はは......」



そう言ってモタモタと歩く私の腰に、彼は手を当てる



「ん!?」


「大丈夫ですか。酔ってるんじゃ」


「あ、ああ!嘘よ、私そんなに飲んでないし。抜けるために嘘ついたの。ごめんね、あなたに嘘つく気はなかったんだけど、男の手前ホントのこと言えなくて」


「そうですか」



男子高校生は少しバツが悪そうに腰から手を離す



私は彼の顔を見上げてハハ...と笑った

「なんて、今度は嘘ついちゃった。そんなに飲んでないんじゃなくて、ただお酒に強いだけなの」