なにか言わなくちゃ!
「いや......」
断ろうとする私の腰に手を回して、彼は歩き出すよう促す
「さぁこっちです」
「でっ、でも私お店にいる友達を置いて行けない。仁香が心配なの」
「仁香さん、ご友人だったんですね。でも彼女、亮太と良い雰囲気でしたよ?僕たちは邪魔かも」
「た、確かに.......」
何いい雰囲気になってるのよあの馬鹿!
いや、こんなのは完全に八つ当たりだ
「でしょう?だから大丈夫ですよ。さ、安全なところに行きましょう」
何が安全よ!
完全に部屋に連れ込む気のクセに!
「ほ、本当に大丈夫なので!あの、離してください!」
「危ないですよ、早苗さん酔ってるじゃないですか」
いや、全く酔ってないんだけど
この人ぜんっぜん離してくれない!!
なんなの!!
「あの!その手離してください」
..........え?
その時
私を救う王子様が現れたのだ


