合コンの開始から2時間が経った



あーー帰りたい


大いに盛り上がっているテーブルを俯瞰すると、自分のテンションとの温度差に少しの酔いも完全に覚める



「〜〜〜というわけで、そのプロジェクトはなんとか成功したんです」



「はーすごいですね」

で、なんの話でしたっけ


なけなしの感情を絞りだして褒める私の言葉が掻き消される勢いで、他の女性たちは溢れんばかりの褒め言葉を製造する


「すごーい!まるで映画みたい!」
「仕事ができる男性って本当に素敵です!」
「そんな方が私たちと合コンしてくださるなんて奇跡みたいです〜」
「将来が本当に有望ですね!」



この人たちはよく男どもの武勇伝を永遠と聞いていられるな



私はワインを口に含みながら

いや......男性を立てられる女性って、こういう人のことなんだろうなと

自分を殺せず1ミリも男性を立てられない自分を嘲笑する



みんな凄いなー

そんなスキル私にはないよ〜



ということで、そろそろ酔ったフリでもして帰るため席を立つことにした


「あれ、お手洗いですか」

「あ、いえ。ちょっと夜風に当たってきます。酔ってしまったので」

「では一緒にいきましょう。僕も少し酔いを覚まします」

「え......ええ.......」


不本意にも私はこいつと2人で席を外し、店の外へと出ることになった


えーっと名前は......なんだったかな