原因はこの真っ先に自己紹介をした仁香という女にある


彼女は私と同じ田舎出身の古くからの友人で、偶然にも互いに就職を期に同じタイミングで同じ都会に引っ越して来たわけだが


そんな彼女から「仁香合コン行く」と連絡が来たのが午後4時のこと


『なんかね、仁香の職場の先輩が男友達に合コン誘われたらしいさ、けど女の子2人足りないって言ってたもんで人を助けると思って合コン行くけんが、一緒に行けえない?』

『あほ!訛り丸出しで突然何言い出すだね!』

『合コンいや?けどそんなこと言ってるから彼氏もいないら?不純異性行為だとか罪悪感抱えてないで一回行ってみるさ』

『いや、百歩譲って合コンはいいとして職場の先輩って.....就職して一週間や二週間の職場の大人たちがそれほど信用できるか?行くは戦場なんだよ仁香!?そんなん余り男子押し付けられて終わるんだ!』

『そうさら!?だからちょっと不安だから早苗ちゃんにも来て欲しいじゃん』



と言うわけでこの能天気訛り女を気にかけて合コンに参加してしまったわけだが、我ながら甘い


余りにも甘すぎる


仁香にも、合コン対策も.....



「加納さん、緊張してます?もしかして合コンとか初めてですか?」


「え?あ、あぁはいそうなんですよね.....えっと、すみません。あ、あの、なんか食べますか.....?」


正面の男から話しかけられてもなんて言えば正解なのかもわからない



だいたい5人対5人ってどこのネトゲだよ


参加が決まってから、私は「合コン やり過ごし方」で検索する暇もないほど急ピッチで支度した




とはいえ合コンの席についたのは、紛れも無い自分の意思だ



どんな理由があろうと

合コンに行くと、私が決めたのだ