「人が作ってくれた料理なんて、普段食べれないから。ていうか.....」
言いかけて口をつぐみ、ケースから取り出した箸でプレーンオムレツを一口サイズに切る
おそるおそる口に運んだ五月はやはり昨晩のようにゆっくりと味わった
「そっか、よかったね火野」
弁当を頬張る姿を見つめて木田が表情を和らげる
先輩2人も顔を見合わせると珍しい後輩の姿に笑みを交わした
しかし安寧の弁当タイムはそこで終わることになる
「火野ーーっ」
大きな声で五月の名字を呼びながら部室に入ってくる同級生
「あ。佐伯、峰田、おつか.....」
木田は「おつかれ」と言いかけて、彼らの背後に目を止める
そこには、3人ほどの女子生徒がいた


