ははは、
自虐する様な笑いに僕は真顔で質問する
「火野くんってさ......どれくらい早苗さんに本気なの?」
怖いもの聞きたさに
つい
禁断の質問をしてしまった
「どれくらいと思う」
質問に質問を返され返答に詰まる
なんて言おうか迷ってこう答えた
「結婚したいくらい?」
彼は小さく笑みを浮かべて頷いた
「そうだけど、そんな可愛いのじゃなくてさ」
「うん」
「もし早苗さんが別の人と結婚しても、諦めない」
「怖いよ」
「よな」
本気って
「狂気じゃん......」
火野くんは笑う
愛、狂気、覚悟、執念、自嘲
その表情から、いろいろな感情が読み取れて
本当は『火野五月』と言う人物に畏怖の念さえ抱いていた
けれどそんな彼が
とても不器用で優しくも見えた
なんでこんなに切ない笑い方をするんだろう
何が彼をそうさせたのか
心の中がぐちゃぐちゃだ
自分の早苗さんに対する気持ちなんて
ちっぽけで軽く見えるほどに


