「行くな」


止められて、心臓が縮みそうなほどドキリとした



「そ、そうだよね。休んでるもんね」


でしゃばりすぎた......

消えたい......



それで手首を離してくれればよかったのに、彼は自分の気持ちをストレートに明かした



「安井はこんなこと言われたらすげーウゼェと思うけど。正直言って、俺は本気だからお前が邪魔」


「火野くん......」


「文化祭の日も、今日も、お前がいて。俺じゃなくて、お前の姉だから早苗さんが来たって思ってる奴もいて。その誤解が解けたところで、早苗さんとの関係は変わらないけど、でも邪魔」


「ご、ごめん......」




きつい言葉だった

自分が1番、自分を邪魔者だと感じていたから



彼は首を振った 


「ごめん。お前は謝んな」

「え」

「邪魔だと言う割に、2人きりになれるように上手くもっていけなかったし。
文化祭は、俺はそもそも誘ってない。むしろお前がいなければ来たって気づいてない」