その説明以降、五月くんは口をつぐんだ


何考えてんだろ、グロテスクだし同情しているのかもしれないな



「私そんなに気にしてないよ。普段生活して、人から見える場所でもないし」


なんでこっちが気を遣ってるんだろう

まぁ本当に気にしてないんだけど



「はー」

もう、いっか


私は諦めて丸めた背中を差し出した


「どうぞ気が済むまで火傷跡見て下さい。目に毒ですが」

「ありがとうございます」


謎の申し出に素直に礼を言った彼は、傷跡にそっと口付ける





!?!?!?



唇の柔らかい感触と、細くて柔らかい髪が背中に落ちて、私は思い切り目を見開いた


なに!?



そっと添えられた指の温度と

背中で感じる息遣いがくすぐったい


「気が済むまで見ろって言って、ちゅーしろとは言ってないけど!?!?」



この慌て様とは裏腹に、五月くんは冷静に唇を離す


振り向いている私と目が合うと、じっと見つめられた





私絶対に今、顔赤いんだけど!!


無理!!!!!



あまりの恥ずかしさに両手で顔を覆う




「ドキってしてくれたんですか」


五月くんはどうやら

とても満足した様子で




「また来ます。ゆっくりしていてください」


最後に背後から軽く抱きしめた後

部屋を出て行った