「痛っ」
思わず声をあげる
彼の指先が背中の古傷に触れて、いつもなら感じないような鋭い痛みが迸った
「すみません...!」
五月くんは驚いて慌てて謝ってくれるが、彼は優しく触れただけだ
「ううん!五月くんのせいじゃないの!」
不安そうな表情でこちらの様子を伺ってくるので、慌てて首を振った
あれ________
いつもはこんなに痛くないんだけどな
「背中にね、ちょっと大きくてグロテスクな、古傷があるのよ。それがたまたま痛んで」
「.........」
説明すると、彼はベッドに乗り上げてわたしの背後に回る
「え?五月くん?」
表情が見えない
次の瞬間
背中からTシャツを捲り上げられ、思わず甲高い悲鳴をあげてしまった
「きゃ!!」
胸元まで捲られないよう、両手で前を押さえる
「ちょっと!」
勢いよく首だけ振り返ると、彼の鋭い視線と目があって
思わず息を呑んだ


