「悪い、大丈夫か?……って、吉川?」
「……一ノ瀬さん?」
転けそうになったわたしを支えてくれる一ノ瀬さん。
「すみません、ありがとうございます」
それだけ言って外に出ようとするわたし。
お願い…今だけは、放っておいて。
そんなわたしの願いも虚しく、一ノ瀬さんに引き止められた。
「今日は外食か?なら、一緒にどうだ?」
その一言で、渡さないといけない物を思い出した。
「一ノ瀬さん、これ……良かったら。いつもコンビニ弁当だと、身体に悪いです」
作ってきたお弁当と、一足早いチョコレートを一緒に渡す。
「これ、弁当……と、チョコレートか?」
「いらなかったら捨ててもらって大丈夫です。失礼します」


