「おはようございまーす」
会社に到着し、自分のデスクにカバンを置く。
「おう。はよー」
「おはよー!」
隣のデスクに既に座っていた人物が顔を上げ
私も挨拶を交わす。
逢坂雪(おうさか ゆき)
同い年で唯一の同期。
髪を明るめの茶髪に染め
キリッとした目鼻立ち。
女性陣から影で人気がある
エリートでもあったり。
私のライバルでもあったり。
「ぷっ。髪跳ねてる」
雪の手が伸びてきて
ぴょこんと外に跳ねている
髪のひと束を触られる。
「……それがさ、寝坊しかけて」
「あーーまぁ、昨日飲み会だったもんな。
お前結構飲んでたし」
「雪は?2日酔い無いの?」
「俺、酒つえーから。
けど眠気が半端なくてつらい」
「………それすごくわかる。
何で昨日飲み会なんか開いたんだろうね」
「課長の気まぐれだろ?
ほら、あの人今日休みじゃん?」
「うわ、ずるい自分だけ」
私も休みたかったよ………。
1日中家の中でゴロゴロしていたかった。