「さぁ、行きましょう」 「死にに行くって、何処へ?」 黒い外套(マント)を羽織り、シルクハットを深く被り、全身を黒い布で覆いながら、僕は既に扉へ手を掛けている彼女を見る。 ソウェルは扉を開けながら、言った。 「歩きながら決めるわ」 光の中に溶けていきそうになるソウェルの影。 太陽の光に、僕は目を細めて、消えそうな影を追いかけた。 NEXT