「早く、シーファ」



「何処へ行くのさ、ソウェル」



僕はまだ渋る。


時計を見上げると、その針は二時を少し過ぎた所をさしている。


その間にソウェルはテキパキと水筒に紅茶を入れて首に吊るした。



「死にに行くの」



「太陽がまだあるよ」



「日傘をさせば平気よ」



僕は太陽が嫌いだ。


ソウェルは傘立から僕の分と、自分の分の日傘を取り出して何の躊躇いもなく、差し出してきた。


頑固な彼女の性格を知っているから、僕は読みかけの本を閉じて、傘を受け取る。