その店には、人が並べられていた。


20mほどだろうか、その先に並べられた人たちは身動きの取れないように、板に張り付けられていた。


そして、彼らから20mほど離れた此方には、拳銃を持った男達が銃を構えてなにやら楽しそうに話をしている。


厭でもこれから起こるであろう行為がわかる。


二人組みの男がカウンターに、隣の席が見えないように隔たりをつけたテーブルに付く。


一人が得意げに言う。



「心臓を一発で、なんてつまらなさ過ぎるだろう。今日はどっちが一番弾を命中させながらも、長く生かすことが出来るか競争しよう」



「それはいいな、悶えて瀕死になっているヤツらを見るのも楽しそうだ」



隔たりを間に挟んで男達はその先に立っている人へと銃を向けていた。


狙われている一人は四十代ほどの太った男。もう一人は三十代後半ほどの中肉中背の男。


どちらの男も銃を構えられている事に気付くと身動きをどうにか取ろうと必死にもがく。


助けてくれ、とどちらの男も叫んでいるが、お構い無しに銃を構えた男は狙いを定めている。



「動かねぇように先ずは脚だな」



そういって、続けざまに三発の銃弾が太った男の脚へと撃ち込まれた。


叫び声が響いて、ガクンと力なく俯く、太った男。


両手首、両腕、腰、両足、両足首、首を鉄の止め具で固定され、倒れることさえ許されない男は大量の血を流しながらそれでも立っていた。


その隣でもがいていた中肉中背の男も同様に、脚にニ発、手に一発の弾丸を撃ち込まれ叫び声をあげた。



「おーやるねぇ」



「お前こそ」



銃を持った男は楽しそうに、それぞれのペースで銃弾を、その先に立っている的へと、的が死なないように気をつけながら、撃ち込んでいた。


僕はその場を離れて、別の席へと向かった。