深夜の路地裏







暗闇の中







蠢く人影







フードを被り黒いコートを揺らして歩く







ダルンと伸びた袖は手を完全に覆い隠している







コツコツと靴音、ピチャピチャと何かの水音が辺りに鳴り響く







身長の二倍以上ある大きな鎌を彼は器用に袖で握りこみ、ブンブンと振り回す







路地裏という場所に似合わず陽気に鼻歌を歌いながら歩く















月明かりがぼんやりと彼を映し出す















彼の黒いコートは赤い液体、即ち血で濡れている



しかしそれは彼の血ではない









彼の足元には倒れた人が















死体が転がっている





まるで大きな凶器に抉られたようにぱっくりと裂かれた腹



一目で死んでいるとわかるほどの出血



近くには彼らの武器であっただろうと思われる片手剣や大剣、槍や弓などが転がっている









明らかに異常な光景











彼はふと集団のリーダーと思われる死体を見下ろした



何かを見つけたようだ



死体の近くにしゃがみ込む



彼は死体の手に握られている紙をとる



クシャクシャになった紙を丁寧に伸ばす



彼はその紙を端から端までじっくりも読む





そしてニィッと不気味に笑った





嗤った





彼は紙を投げる。大鎌を振り回し、ヒラヒラと舞う紙を切り裂いた





その様子を見て満足げに彼はニコニコと笑い、去っていった





















背丈に似合わず大きな鎌を器用に振り回し敵をなぎ倒す



ある時は首をハネられ

ある時は腹を抉られ

またある時は体を真っ二つに切り裂かれる









その姿はまさしく地獄からの使者死神























彼の事を皆、畏怖の意を込めてこう呼ぶ









黒の死神…と







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以下の者を探している。情報求む





闇ギルドの暗殺者【黒の死神】

•年はおよそ11~13

•背が低く黒いフードを被っている

•背丈の二倍以上ある大鎌

•黒いコートを着ている





目撃情報があれば役所まで。情報料として金貨5枚。捕獲(死んでいても構わない)した場合王金貨1000枚の賞金が出る





また、該当する者の姿を見た一般市民はすぐさま逃げるように

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