家に帰っても、頭に浮かぶのはないとの事ばかりだった。
ないとが自殺志望…。

衝撃的だった。
あのないとの事だから強く逞しく生きていくのだと思ってた。
化け物だという事実を受け止めて、いじめと戦って、家族の事は忘れ、自分の目標や夢に向かってただ真っ直ぐに生きていくのだと。

でも、現実は違った。


ないとは表に出さないだけだったのだろう。
泣いたらいじめてるやつの思うつぼだと思ったのだろう。
わざと強く振る舞ってたのだろう。

私に化け物だということを伝えたとき、ないとはどんな気持ちだったのだろう。
自分の触れられたくない場所に触れられて、どんな気持ちだったのだろう?

私には想像もつかない。