「じゃあ、そろそろ帰るから。また会おう」
少女は私に背を向けて、倉庫の扉を開ける。
その背中がかなり疲労しているように見えた。

「あの、あなたは何者ですか?」
私は無意識に尋ねた。

少女はこちらを向き直ると私の目を見つめる。

「私は白瑠璃。聞いての化け物だ。で、そっちは?」
白瑠璃は少し早口で言った。

「青木すずねです。私も化け物です。ないととは同じクラスです。よろしくお願いします」
私はかしこまって頭を下げた。

「こちらこそ」
白瑠璃も頭を下げる。

しばらく沈黙が続いた。
重い沈黙だった。