こまりと塊の襲撃にあった後、私とないとは長野先生の車に乗りあるところを目指していた。
長野先生が連れて行きたいところがあると言い出したためだ。

こまりたちは、私達が揉めているうちに逃げ出してしまったようだ。
体の痛みは嘘だったかのように消えていた。
長野先生によると、あの塊が遠くに行ったかららしい。
私の体には火傷だけが残った。


「着いたよ」
長野先生が私達を連れていった先は、一軒の和風建築だった。
木造で落ち着いた雰囲気とちょうど良く古びたその建物はどこか貫禄を感じた。
「ついておいで。」

長野先生が手招きをする。
私とないとは眠気で閉じそうになる瞼を必死に開きながら長野先生の後を追った。