学校の校庭にいたものをみて目を疑った。
「は?何だあれ?」
私は驚きあまりまた声を出す。
すると、彼はまた振り返って「付いてきたのか。」の言った。
私はもう答えなかった。


校庭には黒い大きな塊みたいなものがいた。
一瞬何かのオブジェかと思ったが動いていたから違うということに気づく。
それにしても何なんだあれは。
ないとはまた、私を置いて一人で歩いていった。
「おい、やってくれたなお前。」
ないとは塊に向かって言った。
その声は怒りと明らかな敵意が含まれていた。
ないとの知り合いなのか?私はそう思った。
私も塊に近づく。
「え…?」
私は間抜けな声を出した。
そんな声、こんなの見たら誰でも出すだろう。
塊の上には、こまりが座っていた。



「あら、すずね。それにないとくん!」
こまりは喜び、表情を明るくする。
それでもないとは笑わなかった。
「おい、こまりその化け物しまえ。」
ないとは低い声で命令する。
しかし、こまりは彼の命令に従わなかった。
「ごめんね、その命令には従えないんだ。というか、なぜここが分かったの?何かあなたたち私がここに来るのを知っていたみたいじゃない?」
こまりは尋ねた。その声は本心から言っている言葉を言うときの声だった。
「なぜ従えない?」
ないとの声にどんどん怒りが込められていく。
こまりは笑った。嫌な予感がする。

「私はこの子を解放したの。大川ないと、あなたを殺すためにね。」
私はもう何が起こっているのか分からない。
思考が追い付かなかった。
「この子を使ってあなたを殺すの。そしてあなたの魂を手に入れる。その魂をリース=ルー様に捧げる、そしたら私は永遠の美しさを得ることが出来るのよ。」
こまりは化け物に何かを命令していた。

私の体は勝手にないとの方へ走り出す。
頭の中が恐怖に支配されていった。
「ないとくん!逃げて!!」
悪い予感がした。今までとは比べ物にならないくらい。