車の免許を取ったお兄ちゃんは私を景色のいい所に連れていってくれた。



《穂衣、医者の言うコトなんか気にするな。》



最近使い始めた真っ白のホワイトボードにお兄ちゃんはそう書いて渡した。



私が頷くと、もう一度何かを書いて、私に見せる。



《こんなに休めるコトなんかそうそうないんだから、ゆっくりしろ。》



飾らない、素直な言葉が嬉しかった。