哀しき野良犬

俺はさっさと金を払い、この場を立ち去りたかった。
しかし、レジの店員が俺の顔を呆然と見つめたまま固まっていた。

「な? 怖いだろ? さっさと金出したほうが身のためだぞ」

片桐は店員にそう言ってレジスターの中身を覗き込んだ。
何を思ったのか店員は片桐にレジの中から金を出して手渡した。

「何してんだよ。やめろよ」

俺は片桐の腕を掴んだ。

「殺人犯が俺に文句タレるのか?」

「強盗するつもりか?」

「殺人よりマシじゃねえ?」

「ふざけるな!」