静香さんは驚いて目を丸くした後、にっこりと微笑んで口を開いた。

「そんな気負う必要はないわよ。ただ、岡澤主任を信じたらいいだけだもん」

「信じるだけ、ですか?」

「そう、信じるだけ。で、信じてる岡澤主任が好きな自分もついでに信じちゃう」

「ついでに……なるほど、です」

「既婚者、流石でしょ?」

「はい」

ホント、呆気ないほど簡単だ。だって光希は岡澤をずっと信じてる。絶対な信頼をしてる。

「そんな簡単な事だったんですね」

自然に笑顔になった。ふふっと小さな笑い声まで出てしまう。

「私、先輩っぽかったわね」

「はい。格好良い先輩です!」

出社した時よりもっと緩んだ頬を引き締めてながら、光希はパソコンを開いた。


後はタイミングを待つだけだ。