「清花ちゃん……」

「おかしいなって思った事はあったんですよ?結婚式に理想はあるかってお聞きした時、侑斗さんは誰か他の人を思い浮かべて答えてらしたので」

岡澤が「光希にどんなドレスを着せようか妄想した」と言っていた件だろう。嬉しさと申し訳なさが相まって、光希はどんな顔をして良いか分からない。

「ふふっ。そのお顔されるって事はやっぱり光希さんを思い浮かべてらしたんですね」

「ーーーごめんね、清花ちゃん」

どの角度から見ても完璧な岡澤の唯一の欠点は光希以外の女性の気持ちに鈍感な事らしい。やっぱり申し訳なさが勝って、光希は小さく頭を下げた。

「大丈夫です。でも……お祝いを言うのはしばらく待ってください」

「え?」