以前にも待ち合わせしたカフェ。清花を前に、光希は深々と頭を下げた。

「ごめんなさい」

岡澤の両親がお詫びと共に大体の事情を話した、とは聞いている。でも光希は自らの口で清花に謝りたくて、連絡を取った。

心配した岡澤は「一緒に行こうか?」と言ってくれたが、それが清花にとってどれだけ酷い事かを考えると頷けなかった。

今はカフェの一角、二人で向かい合って座っている。

「ーーー光希さんのせいじゃありませんから。頭をあげて下さい」

落ち着いたトーンでそう告げた清花は、光希を見てふわりと笑った。

「舞い上がって気付かなかった私もいけないんです。侑斗さん本人はお付き合いにも結婚にも、一言も触れてなかったのに」