「その顔、そそられる」

「先輩!そんな事言ってる場合じゃ」

「大丈夫だよ。光希を迎えに行く前に電話したけど、俺が好きな子と結婚したいって言ったら喜んでた。ただ、清花さんには悪い事したって言ってたけど」

「ーーーそうだよね」

憧れの人との縁談を心から喜んでいた姿が浮かんできて、光希の心が沈む。

「今度、ちゃんと謝ってくるよ。こっちの都合で振り回してしまったんだからね」

「うん……」

幸せな気持ちに混じった切なさは、より際立ってしまう。泣き出しそうになる光希を強く抱き込んだ岡澤は、安心させるように囁き続ける。

「心配しないで。大丈夫、俺たちは祝福されて幸せになれるよ。俺が光希を守るから、光希は俺を信じてて」