ビジュアルが異色過ぎる岡澤だったけれど考古学への興味は本当にあったらしく、サークルの活動には積極的に参加していた。
それもまた意外で興味深くて、光希は岡澤を観察するのが日課になり、そんな光希に岡澤がちょっかいをかけて揶揄うのがいつの間にか大学の日常風景になっていった。

気の置けない先輩と後輩。モテる岡澤と近いことでやっかまれる事は多かったけれど、光希にとってその関係性はとても心地良くて。出来るだけ長く続けばいいのに、と密かに願っていた。

そして、そんな二人が付き合いだしたのは一つ先輩の岡澤が大学を卒業するタイミング。

サークルの卒業追い出しコンパの席、乾杯の前に全員を証人にすると宣言して言った、

「これから会えなくなるって思ったら、寂しくてどうにかなっちゃいそうなんだ」

という岡澤の告白と、

「乾杯前にもう酔ってるんですか？」

という光希の返事は未だにサークルの語り草らしい。

いつものように岡澤が光希を揶揄っているのだ、と光希を含む岡澤以外の全員が考え、笑って乾杯に突入した事も含めて。