「それで怒ってくれたんだ」

「先輩だって、怒るべきです。あんな事言われて……」

「うん、そうだね。でも今は嬉しいから怒れないな」

ニコニコと告げる岡澤に光希も涙が止まる。

「ーーーえ？」

「だって光希が俺と付き合ってる、恋人だって言ってくれたから」

「あ……」

岡澤に聞かれていたんだと気付いて、光希の顔が真っ赤に染まる。

「それは……腹が立って、悔しく、そしたら勝手に口から出てて……」

「うん。でも俺は、どんな状況でも、光希が言ってくれた事が嬉しいよ。だからさ、結婚しよう」