「あの、あのっ!静香さん?」
連れてこられたのは廊下の端。ほとんど人が来ない場所だ。
「資料室の方が人が来なくていいんだけどね、朝から財務課が探し物してるのよ」
チッと舌打ちしそうな静香さんはこの場所で話す事に不満そうだが、光希としては、今は全ての悩みの発端の場所である資料室は避けたい。ここで大丈夫だとの意味を込めて少しだけ口角を上げたけれど、静香さんの表情は晴れなかった。
「冴島ちゃん、痛々しいから。そんな無理して笑う事ないんだよ」
「え……?」
「冴島ちゃんのそのぼんやりと腑抜けた顔が先週の騒動が関係ないと気付かない程、私は鈍感じゃないって事」
「ーーーすいません」
「謝る必要はないの。冴島ちゃんが悪いんじゃないんだし。でも気になるから、私は私のすべき事をしようと思って」
連れてこられたのは廊下の端。ほとんど人が来ない場所だ。
「資料室の方が人が来なくていいんだけどね、朝から財務課が探し物してるのよ」
チッと舌打ちしそうな静香さんはこの場所で話す事に不満そうだが、光希としては、今は全ての悩みの発端の場所である資料室は避けたい。ここで大丈夫だとの意味を込めて少しだけ口角を上げたけれど、静香さんの表情は晴れなかった。
「冴島ちゃん、痛々しいから。そんな無理して笑う事ないんだよ」
「え……?」
「冴島ちゃんのそのぼんやりと腑抜けた顔が先週の騒動が関係ないと気付かない程、私は鈍感じゃないって事」
「ーーーすいません」
「謝る必要はないの。冴島ちゃんが悪いんじゃないんだし。でも気になるから、私は私のすべき事をしようと思って」

