月曜日の朝、光希は状況がしばらく飲み込めなかった。

泣いて喚いて弱音を吐きまくって、結局迷惑をかけていることを再確認しただけの昨夜。光希は風呂にも入らず岡澤の腕の中で寝落ちしたはずなのに、今はベッドの中で瞼には腫れ防止の冷却剤が乗っている。

「ーーーあれ?」

ゆっくりと起き上がり辺りを見回すと、ベッドサイドにメモを見つけた。

『おはよう。気分はどう?ホントは光希が起きるまで待ってたかったんだけど、着替えるために一度帰るよ。光希も気分が良くなかったら、今日は仕事休んだ方が良いよ。って言っても出勤しそうだけど』

外見に反して大きくて男性的な字。カクカクとして少し個性的なそれはとても読みやすい知り合った頃から変わらない岡澤の字だ。

「やっぱり優しい」

メモを読んだ光希のかおが自然に綻ぶ。