「過大評価じゃなくて、俺から見た真実だよ。良いトコロも悪いトコロも含めて、持ってるモノも持ってないモノも含めて、光希は世界一可愛くて愛しい女だって、俺は心から思ってるから」

「で、でも、私は清楚なんかじゃなくて地味なだけだし、歴史は好きだけどオタクだし」

「こーら、まだ言うか」

「だって……」

「だからさっきから言ってるだろ。全部含めた、冴島光希って人間を愛してるって。まだ納得出来ない?」

「それは……」

「それとも、自分に自信が持てない?」

質問の形をした確認に、光希は躊躇いながらも頷いた。

「多分、そう」

言葉にされて、初めて自覚する。結局、まだ自分は一歩も前に進めていないのだと。