おれは総統に訊いた。
「ここから出る方法、あるよね?」
【出て、どうする?】
「どうもしない。ただ、死に場所を選べるんなら、ここよりはマシなとこがいい」
【出られるはずだよ。さして大きな広がりを感じない。目を凝らしても、ろくに見えなくなっているから、具体的なことは言えないが】
「あっそう。んじゃ、おれ、行きますゎ」
おれは総統に背を向けた。
待ってくれ、と言われて、振り返る。
【私が破砕するのを止めてもらえないだろうか?】
「えー、何それ? おれ、大冒険とかするつもりないよ? そんなチカラ持ってないし、そんなガラじゃないし」



